2011年01月18日

破産管財人の源泉徴収義務 最高裁判決

破産会社の元従業員に配当される退職金について、破産管財人が国を相手取り、所得税の源泉徴収義務がないことの確認を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁長)は14日、請求を棄却した1、2審を破棄し、国側一部敗訴とする逆転判決を言い渡した。義務の有無を巡って学者の間で見解が分かれていたが、小法廷は「徴収義務はない」とする初判断を示した。原告は、1999年に破産した港湾土木会社の破産管財人を務めた弁護士とのこと。2000年に元従業員ら270人に退職金約6億円を配当するなどしたが、税務署は所得税の源泉徴収がされていないとして、2003年に約4000万円を納付するよう命じた。そこで、原告の弁護士は「管財人の業務には過大な負担となる源泉徴収は含まれない」として提訴し、1、2審は「管財業務として配当を行った以上、源泉徴収義務を負う」などと判断されていた。

これに対し、小法廷は「破産管財人は、破産会社から源泉徴収義務まで承継しない」とし、一方で小法廷は、管財人個人に支払われる報酬については源泉徴収義務があると判断し、国側の主張を認めた。

破産管財人の会社の従業員の給与等に関する源泉徴収の事務は、ある程度の規模の会社となれば、大きな負担となりかねない。現実的な判断をした最高裁の判断は評価できる。一方で残念ながら破産管財人の報酬の源泉義務は認められたがこれは仕方がないか。

↓最高裁ウェブサイト
判決はこちら

ご相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう  

posted by NAY at 11:24| 倒産・事業再生・M&A

2010年12月19日

平成23年度税制改正による繰越欠損金の利用制限と事業再生への影響

平成23年度税制改正(大綱)において、青色欠損金の損金算入制限(利用制限、80%しか使えない。)が導入されることが決まり、会社更生や民事再生における計画の認可決定事業年度の債務免除益に対する課税と認可決定後事業年度の事業所得に対する課税の問題として一部影響を受けることになるようです。
前者の問題は、「会社更生等による債務免除等があった場合について現行どおり欠損金の損金算入ができるようにする等の所要の整備を行う」こととして検討され、後者の認可決定後事業年度の事業所得に対する課税の問題は、開始決定が平成23年4月1日の前後のいつになされたかで経過措置が受けられるか否かの差が生じることになる方向のようです。まだ、私もざっと見ただけなので詳細はもう少し詰めないといけません。

わずかであるといえども再生実務のハードルがあがる。事業再生できる会社が減少する可能性をはらんだ改悪である。1億円以下の資本金の小規模企業は除外されるようですが、中堅企業の再生実務は影響を受けます。雇用確保などと言っている政権の矛盾する姿勢にやや憤りを感じています。特に地方企業で再生ができなかったときにどのような事態になるか分からないのでしょうか。地方での再雇用の難しさをもう少し現場を見て政策を組んでもらいたい。より詳細に検討するため今回の税制大綱に基づく改正条文の動向を追い続けなければなりません。

御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう 
posted by NAY at 02:19| 倒産・事業再生・M&A

2010年09月09日

悪質な事業再生無資格コンサルタント

先日事業再生コンサルタントの逮捕のニュースがでましたが、その事例は会社分割でした。負債の減額交渉を代理人として請け負って金融機関と交渉する例が散見され、100%の再生率などと中小企業を勧誘している。まともな再生ノウハウを持って活動しているのであればまだしも、中には大変いかがわしい手法のものもあるようだ。対象となる企業がどこまで傷んでいるかによっても再生可能性がない場合もある。悪質な金融に手を出してしまっていたり、既に反社会的勢力のブローカーが暗躍してしまっている事例であれば、再生は難しいのが現実だ。
このような案件の例も指摘せずに100%再生などと言っていることに非常に憤りを覚えている。事例によっては、広告自体の景表法違反、当該コンサルタントのアドバイス内容、行動によっては弁護士法違反、強制執行妨害罪で告発になる事件も出てくるかもしれませんね。ただし、汗水たらして働いている善良なコンサルタントがこういった輩のために迷惑を被るのは本当に困ります。

 

御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう 


 

posted by NAY at 23:34| 倒産・事業再生・M&A

2010年09月06日

会社分割を行い報酬を得たコンサル逮捕

弁護士資格がないにもかかわらず、会社再建のための会社分割を行い報酬を得たコンサルタント「レジェンド」がついに逮捕された。事件の詳細は報道のみしか情報がありませんが、結構この手の話は存在するのではないかと思う。特に地方では、怪しげな事業再生コンサルタントと称するブローカーが暗躍しており、かえって事業再生の可能性を閉ざしてしまう。一歩間違えば強制執行妨害になりそうな事案も皆無ではないのではないか。


中小企業再生支援協議会など早期に相談にいってもらいたいのだが、一部地域によっては、必ずしも機能していないことも否定できない。もう少し、支援協議会も地元人材を活用する方針に例外を認めるとともに、必要な案件には高度かつ必要な人材をあてがうようにするべきであると思う。不幸な事例を増やさないためにも再生のインフラを充実させなければならない。地方の金融機関の協力も不可欠であることは言うまでもない。

 

御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう 

posted by NAY at 21:23| 倒産・事業再生・M&A

2010年08月14日

帝国データバンク 7月の倒産集計公表

帝国データバンクが7月の全国の企業倒産集計を公表しています。大型倒産は沈静化し、倒産件数も減少しているものの、依然として中小零細企業の倒産は少なくないようです。大型倒産は、沈静化しているものの、自動車関連産業の中小規模の部品メーカーなど、補助金が9月でストップした場合に、駆け込み需要後の販売不振の影響もあるかもしれない旨コメントがあります。神奈川から愛知にかけての東海エリアの企業において、影響が出なければよいのですが、支援できる場面があれば全力で支援していきたいと思っています。
又中小企業でモラトリアム法案で何と書きながら得ている企業についても、今後景気回復を力強いものにしなければまた期限切れで倒産が増える可能性もあります。
 
再生の現場でできる限りのことをする覚悟ですが、一方でできるだけ早い経済対策と景気回復を願ってやみません。
 

御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう 

posted by NAY at 20:30| 倒産・事業再生・M&A

2010年07月13日

最高裁、会社分割を巡る従業員転籍、事前協議なければ無効を判示

最高裁は、会社分割を巡る従業員転籍、事前協議なければ無効と判断しました。
分割会社からの説明や協議の内容が不十分である場合を違法としています。協議が全くない場合についての判事部分は当然の帰結として良いとしても、協議の内容が不十分であるとは具体的にはどこまでの内容か不明確に思います。この事例では、協議が不十分ではないとしていますが、このようなあいまいな基準は労働法分野ではあまりにも多く、問題は、後から協議が不十分だと言い出されて問題とされないようにするにはどこまでの協議が必要か法的安定性を重視した明確な基準が必要です。

 

会社分割を巡る従業員転籍については、これまでも協議を開催し、理解を得て、さらに記録化は言われていたことですが、最高裁が改めてこの点を明らかにしたことで、これまで以上に、十分な説明を経て協議を経たことを記録化が求められるものと思われます。
 
参考:記事判決本文

御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう 

posted by NAY at 01:46| 倒産・事業再生・M&A

2010年05月26日

事業再生研究機構へ入会致しました。

 事業再生分野は小職の専門分野の1つです。今後を中堅企業を中心に事業再生案件に取り組んでまいりたいと思います。事業再生においては、ストラクチャリングを行うに当たり税制の問題を避けて通れないため、このような研究団体で最新の情報や税務上の問題についても意見を述べていきたいと思います。また、実務において1つでも多くの企業の再生を実現するよう日々全力を尽くします。よろしくお願い致します。
 

御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう

posted by NAY at 00:29| 倒産・事業再生・M&A

2010年04月22日

TDBの民事再生終結後の企業調査について

帝国データバンクが民事再生終結後の企業について、調査を行い報告書を公表している。業界別にはやはり建設業が厳しさを増している他、気になるのは負債5億円以下の小規模の民事再生の再倒産率が絶対的には高い水準ではないものの、他の大型事案に比べて相対的に高い点です。スポンサーがつきにくく自主再建を行う事例も多い他、業態によっては民事再生が向かないにもかかわらず申請が避けられない段階まで放置されてしまった事例もあるかもしれません。手続きの選択肢としてより早期に私的再生の手段をとりえなかったのかなども検証の余地があります。


再生の手法は様々ですが、早ければ早いほどのその選択肢は広がります。最近は小規模・中規模の事業再生案件では、事業承継問題が伴っている事例が多くみられ、再生後の役員が責任をとった後の後継者の選定が難しい事例も散見されます。より早期に、後継者の育成・選定も含め事業の再構築を考えることも経営者の責任になってきていると思いますし、相談を受ける専門家も経営者への正しい再生方法の指南のため研鑽を積まなければなりません。


特に小・中規模の企業の破産はその後の従業員の生活にも多大な影響を及ぼすことが多く、厳しい事例も多いです。倒産を回避し、雇用を守る我々専門家もそのような視点を持って事業再生案件にとりくまなければなりません。


 御相談、顧問弁護士のご依頼、お問い合わせはこちら
naylaw16をフォローしましょう

posted by NAY at 13:34| Comment(0) | 倒産・事業再生・M&A