2007年11月18日

法とコンピュータ学会に参加しました。

 昨日は法とコンピュータ学会に出席しました。一橋大学名誉教授堀部政男教授による労働者個人譲歩保護行動指針の策定の講演や丸尾弁護士によるIT産業界の展開と従業者の法的地位についての講演、IT産業会における人財育政策についての経済産業省の担当者の講演など様々なIT業界をめぐる労働問題について様々な切り口での講演がなされました。
 特に、Saas等の新技術によりソフトウェアやシステム開発の業界における今後の業界が受ける影響の可能性やIT業界における人材の不足とものづくりの業界への影響など大変興味深い議論を聞くことができました。ものづくりにおいても今やソフトウェアが利用されていない分野はほとんどなくなってきており、ソフトウェア開発の能力が日本のものづくりに影響するかもしれないことは非常に危機感を覚えました。
 例えば、プログラムの行数で言えば、今の大企業のシステム構築に必要なプログラム量が2015年ころには車に搭載されたプログラムと同じくらいになる見込みであり、この分野の競争力確保が日本の技術力に大きな影響を及ぼすことは避けられないといった話です。
 また、一方で学会では、業界の労働構造を理解せず、偽装請負の形式論だけが先行してしまっていないかについての議論もありました。法律業務を行うに当たり、このような業界の動向を抑えて法律の形式論に拘泥しない幅広い見識が求められることを改めて実感した一日でした。
 
 
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posted by NAY at 20:39| 企業法務全般

2007年10月24日

東京地裁 パワハラを労災と判断

 平成19年10月15日、東京地方裁判所(渡辺弘裁判長)は、男性会社員が自殺したのは上司の暴言などパワーハラスメントによるうつ病が原因であったとして、その妻が、静岡労基署長が労災を否定し遺族補償等を不支給とした処分の取消しを請求した訴訟において、上司から人格否定の言葉が発せられることに対する部下の心理的負担は上司との通常のトラブルより重いとして、上司の暴言と男性のうつ病発症・自殺との間の因果関係を認定、同処分を取り消す判決を下しました。
 このような事例をできる限り防ぐために、うつ病や精神疾患を防止するための労働者の安全衛生の体制の整備との関係で、上司だけを相談先としてしまっている場合に、問題のあるパワーハラスメント事例がないかチェックする体制を確保する必要があるかもしれません。

 
 
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posted by NAY at 00:15| 企業法務全般

2007年10月19日

業種ごとのワンストップ法令適用事前相談窓口があれば・・・

 老舗和菓子店への無期限業務停止命令が出されました。確かに、食品衛生法違反を見逃すことはできませんので今回の原因についてきちんとした検証作業が進んで、何とか立ち直ってほしいと願います。
 しかしながら、中小企業や、老舗企業に対して、十分に、行政側から規制の周知徹底などがなされているかは検証する余地があると思います。経営者の皆さんからルールを守りたいが、何処に事前相談に行ったらいいか分からないという本音をよく聞くことがあります。
 もちろん立ち入り検査や行政処分等は必要ですが、もう少し、法令の適用の事前相談や確認についての行政機関のワンストップ化も促進してもらいたいと思う場面もあります。私もクライアントが新たなビジネスを立ち上げるのに事前に業法規制を検討することがありますが、やはり、全ての法律を網羅することはかなり厳しくなっている分野が増えてきています。行政処分の事例がなくて、担当部署から、運用についての感触が得られない場合、留保つきの意見書を書かざるを得ない場合もあります。
 電気、化学、食品、薬品等いくつかのカテゴリでワンストップ法令適用事前相談窓口の試みができないものでしょうか。独占禁止法や金融関係はノーアクションレターの制度の活用は多いと思いますが、ものづくり関係の規制等では、まだまだ制度が浸透していなかったり、所管法令が様々な役所にまたがっていたり、一緒の役所でも部署がばらばらで、担当官が他の分野を全く把握していないなど・・・・・
 この10年間で、法制度もどんどん複雑化し、ずいぶんと改正されてきました。しかし、複雑過ぎる制度への対応コストは、対応漏れによる企業活動の萎縮等は必ず国民の負担となって返ってきてしまいます。複雑化する法律の羅針盤が求められている気がいたします。厳しい分野ですが弁護士が少しでもこの分野に助力していかねばなりません。

 


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posted by NAY at 15:19| 企業法務全般

2007年10月15日

内部統制雑感

 金融商品取引法が施行され、内部統制報告書のQAの公表がなされるなど、いろいろな情報が公表され、コンサルタントの間でもこれをビジネスチャンスといろいろな営業合戦が繰り広げられています。
 もともと、米国でのSOX法はエンロン等の不正会計事件を防止するために制定され、日本でもこれに倣って内部統制と騒がれましたが、金融庁が公表するQAやガイドラインに従えばそれで足りるし、内部統制の制度を作ればそれでよいという形式主義がひろがっていませんでしょうか。
 不正会計の温床は、コンプライアンスを守らずに潜在的な負債が発生することに原因があることも多いのではないでしょうか。反社会的組織との関係、残業、偽装請負、経営陣の背任行為など違法行為が伴う企業内の不祥事を粉飾で隠蔽するなど・・・・・。
 とある米国の内部統制の構築に実績のある企業の担当者のお話の中で、守られない厳しい制度構築や形式的な書面をそろえれば不祥事は防げるというのは大きな間違いで、かえって形式面をそろえればよいという企業風土を醸成させ、かえって監視制度を設けでも意味がないと述べている方がいらっしゃいましたが私もそう思います。

 人間が癌に罹患したとき原発の腫瘍を取り除かなければいけないのと同じで、本当に原因のある部分を改善するよう努め、現場とトップのコミュニケーションを円滑化することが本当の内部統制のように思います。形式主義のために膨大なコストがかかり、企業の業績に影響するとしたらこれほどもったいないことはありません。日本の内部統制構築が、実のある方向に議論され修練されていくことを願ってやみません。
 これから、IPOをにらんで事業計画しているベンチャー企業や中小企業においては、すぐに、これからうちも内部統制!!とあせらずに、まず、組織の構成員がルールを守るという意識を向上させることを大事にしてもらいたいと思います。

  
 
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posted by NAY at 21:05| 企業法務全般