2015年12月07日

Airbnb、民泊解禁と公衆衛生(風営法関連事業の問題)

大田区の特区を活用した民泊条例案が可決されたニュースが入ってきている。テロ対策、パンデミック対策については十分かは以前のブログでも指摘させていただいた。しかし、ホストと利用者以外の周辺住民というステークホルダーへの配慮の観点からもう一つ心配している事項があります。

それは、風営法における無店舗型性風俗特殊営業の存在である。現場の保健所等の行政もこの問題を心配している者もいる。特にビジネスホテルにおいても反社会的勢力の温床になりやすいこの手のビジネスにおいて、排除する体制を検討しているがなかなか完全排除できないのが実情です。この点、民泊と同じく旅館業法のグレーゾーンであるウィークリーマンションの適法性について検討を行ってみると、この業態を認めるかどうかの問題点の1つとして性風俗産業の暗躍の問題とこれを排除して公衆衛生を考えなければいけない点をを挙げることができます。

無店舗型性風俗特殊営業と民泊は残念ながらビジネス的に親和性は高いものと思われ、特にマンション等では、こういったが利用形態でマンションの平穏が害されることは間違いありません。区分所有権者といえどもこういった利用形態は近隣住民の許容の限度を超えているものと考えられます。特に非居住者の外国人が所有する物件ではこのような問題は多く発生しそうな気がしております。

したがって、民泊解禁においては、ホストの届出制または登録制により、マンションの管理規約を提出させ、民泊が許容されることを条件とすべきで、一定の回数上限も検討してもよいかもしれません。また一方で、ルールを作っても違反行為も発生する可能性があることから、可能であれば風営法の側でも一定の改正を行い、民泊施設の活用で、無店舗型性風俗特殊営業の運用を行う場合を処罰又は取締まれるように対応すべきではないかと思われます。

実際、渋谷区では、ホテル以外の施設でこのような利用がなされないように旅館業法の上乗せ条例もある他、新宿区や池袋など繁華街の近いエリアでは旅館業類似の業態に対する旅館業法の運用は厳しく行われています。地域的にこのような公衆衛生の観点から旅館業法が機能している側面もあるのです。

民泊を解禁しつつ、適正に育成するためには、周辺の法律の運用強化により、対応すべき問題もあるものと考えます。誰しも自分の隣の家で無店舗型性風俗特殊営業の利用をされたい人など誰もいないのではないかと思います。特に、小さい子供たちがいるような環境ではなおさらのことです。少子高齢化対策が急務の日本では住環境の悪化はさけたいところです。

屋や上記の問題とは異なるものの住環境の悪化という点では共通する問題が外国では発生制定ます。現に米国サンフランシスコ市では、Airbnbの解禁でこちらの方が収入が得られるようになり、居住用の賃貸借契約の賃料が上昇し、住環境の確保が難しくなっているエリアが出てて来てる弊害もでてきています。解禁した場合のメリットのみならずデメリットに対策を効率的に対応することで、住環境の悪化を防ぎつつ、外国人旅行者を安心して迎え入れることができるインフラとする議論が必要だと思われます。



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2015年11月15日

Airbnb解禁とテロ・パンデミック対策との整合性

あまりイノベーションを阻害したくないので広くコメントすることは避けてきましたが、今回のフランスでのテロもありましたし、エボラ出血熱や韓国での中東由来のウィルスMERSの拡大も続きましたのでやはり黙っているべきではないと考えました。

規制改革推進の中で、Airbnbの解禁が話題になっている。私も一部省庁には意見を述べさせていただきましたが、シェアリングエコノミーでもともと業法規制の背景にある、公衆衛生のコントロール、治安の維持は決して緩和してはならないと考えています。

日本は安保法制を通し、政治的には集団的自衛権行使容認に舵を切った以上、テロの標的になる可能性は否定できません。また、経済のグローバル化で、いずれエボラ出血熱の様な危険な感染症の水際での排除がいずれ限界を迎える危険はないのでしょうか。日本のナショナルセキュリティを考える上でこのような外国人が国内に入国した場合の対策を併せて議論しなければなりません。国の政策を見ていると、他国に比べてインテリジェンス機能も低いにもかかわらず、このようなナショナルセキュリティの分野が内閣府の規制改革においてもあまり深く議論されていないことについてはリスク感覚がなく非常に危機感を覚えています。

もちろん、私としてもシェアリングエコノミーの活用を否定し入るのではなく、規制緩和により導入するのであれば日本の安全を阻害しない導入方法を考えるべきだと言う意見を持っています。

今回のフランスでの痛ましいISによるテロに対し考えなければないことがやはりあると改めて感じました。日本も標的にならないとは限りません。旅館・ホテル関係においては、宿泊名簿備義務の他に以下のようなテロ対策が行われています。しかしながら、Airbnbのホストにどこまでこのようなことができるのでしょうか。プラットフォーマーであるAirbnbについてもどこまでこの対策ができるのでしょうか。プラットフォーマーとしての責任論をあまり議論せずさらにホストを自由にしてしまってよいのかの点について、この観点から議論しなければなりません。

まずは、旅館・ホテルのテロ対策を見ていきましょう。
以下は国土交通省テロ対策のページより引用したホテル・旅館関係のテロ対策です。

【ホテル・旅館関係】 参考:旅館等における宿泊名者簿等への記載の徹底について
 ・宿泊者名簿への正確な記入
 ・日本国内に住所を有しない外国人宿泊客にあっては国籍、旅券番号も記入
 ・日本国内に住所を有しない外国人宿泊客にあっては旅券の呈示を求め、国籍・旅券番号を確認及び旅券の写しを保存
 ・捜査機関を含む関係行政機関への協力
 ・不審者等発見のための施設内外の巡回・点検
 ・テロ発生時における通報・連絡・指示体制の構築の徹底

【旅行業関係】
 ・旅行者への外務省危険情報の伝達
この辺りが主な対策となっています。
                                                                     
では、旅館業法の規制緩和でAirbnbが認められることで、宿泊名簿備置義務の運用がより徹底されなくなるリスクはあるものと思われます。この点、プラットフォーマーが提供するレーティングの仕組みや評判で問題のあるホストや利用者は排除できるという考えもありますが、テロ攻撃やパンデミック対策においては完全に無力でしょう。初めての旅行者が感染者であったり、テロにおいても現地調査班と実行部隊が異なることは多く事後抑止的な仕組み出は全く機能しないことは言うまでもありません。対象者の滞在中に感染症関連の対策法や警察・公安との連携が迅速にできる仕組みは維持するどころか強化すべきであると思います。

ではどのように規制すべきでしょうか。まずは過剰規制にならないように配慮する必要はあるためこのテロやパンデミック対策分野においての行政への協力を果たすことを認識させたうえでのホストの登録制は導入しておくことが望ましいものと考えます。また一定の違反をしたホストは利用を停止させる処分を行政がもつべきであることから登録後違反した場合の登録取り消しの制度も厳格に運用されるべきだと思います。現状はマンションの管理規約でAirbnbの利用を禁止していてもすり抜けて利用しているケースは既に存在しており、ルールを守らない利用者は存在しています。ルールはすでに守られていないのです。大したことではないではないかとおっしゃるかもしれませんが、その油断がテロやパンデミックを爆発させてしまった後でも同じようなことが言えるかは大いに疑問です。ホストを対象とした登録制をはじめとする最低限の規制は必要であると考えます。

ただ、許可制にくらべ登録制はより制限的ではない規制方法とはいえるものの、限界があります。最近はタワーマンションを中心に外国人の非居住者が投資回収のためにAirbnbを活用していることがあり、非居住者のホスト対策があまり議論されていないことも併せて確認しておきたいと思います。ホストが不動産の現地いないため、テロの場合は、テロ拠点に使いたいときこのような物件を使えばテンポラリーな潜伏を快適に行えてしまいますし、登録制では管理しえない事例もでてきます。

この点をもっと議論しておかないとオリッピックはこれで大丈夫なのでしょうか。この対策としては、やはり、ホストが自分で宿泊者の情報を管理できないなら登録の管理業者の選定を義務化するなど宿泊者の情報を把握する管理者を置くなどの工夫も併せて考えるべきではないかと思います。また、併せて不動産の近くに管理者がいないか住んでいない非居住者がホストの事例においては、併せてプラットフォーマーに一定のルール作りを義務化すべきか、また宿泊者の情報を緊急時に規制当局とどう情報連携するのかの問題が今回の規制緩和では吹っ飛んでしまっています。是非ここをもう少し詰めていただきたいと思います。

適切かつ円滑なシェアリングエコノミーの発展を願いますが、やはり日本の安全がないがしろにされてはいけません。子供たちの世代にも治安の良い平和な日本を守り切ることはビジネスサイドにいても忘れてはならないと思います。

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2013年09月22日

後を絶たないTwitter等SNS問題情報投稿事件

TwitterやFacebook等のSNSへの問題投稿が後を絶ちません。企業からすれば、特にアルバイトや短期の期間契約社員など企業への帰属意識が相対的には高くない従業員への対応は、難しい問題となっているように思います。

最近では、
玉木宏さんのクレジットカード番号の一部が掲載された伝票をアップした成田空港の店員が投稿
王将フードサービスの金沢片町店の全裸撮影事件が刑事告訴に発展
ローソンの加盟店従業員の不適切な画像の投稿事件におけるFC解除
ブロンコビリー、足立梅島店の不適切動画と閉店
ピザハットを運営するケンタッキーフライドチキンがピザ生地を顔面に張り付けた写真を投稿した事件
ITMEDIA記事

の他未成年の問題投稿事件一覧を紹介したITメディアニュース記事
など、事例を挙げればきりがありませんし、愉快犯的な傾向が見受けられます。
従業員が問題を起こす場合や、顧客が問題を起こす場合など事例の特徴も様々です。

【対応策と啓蒙】

まずは、企業としては、従業員にSNSが公への意見表明であり、本人が特定されるということを強く認識してもらうべく啓蒙を行うことが第一だと思います。本来、この問題は、学校教育でも行ってもらいたいと思いますが、教育現場ではまだまだそのレベルにたどり着いていない印象をうけますので、企業側でも検討が必要だからです。

【最低限のルール策定と現場への浸透】

事後的な問題について法的な対応ができるよう企業内での活動等の対外的公表については、無断で行わないなど就業規則での対応、正当な理由なく営業情報を開示することについて秘密保持義務などをより厳格に規定していく必要があると思われます。その上で、特に飲食店との関係では調理場にスマートフォンの持ち込みは本来不要であることから、私物携帯の持ち込みを勤務時間中には禁止する措置も併せて検討するべきであると思われる。なお、このような対応はルールを定めるだけで満足してはいけません。そのルールが特に末端の営業店まで浸透していないことが多いことから、長期的にルールとリスク意識の浸透に努める必要があります。

【事件の発生と損害賠償請求の限界の問題】

一方で、炎上事件が発生し、店舗の閉店の判断も難しいところです。企業側がFCの解除や閉店を判断しても、企業側が考える損害賠償請求の全額が認められるかどうかは因果関係の有無との関係でもハードルがあるように思われ、従業員の行った行動が衛生上の問題なのか、モラル上の問題なのか、これによる企業ブランドの毀損等の程度はどうか分析が必要と思われます。

新しい問題ですが、事件の傾向について精査し、私も効果的な対応方法を引き続き検討していきたいと思います。
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2013年01月13日

ケンコーコムら最高裁で勝訴確定

 ケンコーコムとウェルネットの2社が、医薬品のネット販売を規制する薬事法の省令は違法であるとして、国を被告として、販売権利の確認を求める訴えを起こしていた訴訟の最高裁判決が出ました。

 判決の結論としては、省令による規制を無効とした控訴審判決を支持して、上告を認めませんでした。

本判決では、「・・・そもそも国会が新薬事法を可決するに際して第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を禁止すべきであるとの意思を有していたとはいい難い。そうすると,新薬事法の授権の趣旨が,第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止する旨の省令の制定までをも委任するものとして,上記規制の範囲や程度等に応じて明確であると解するのは困難である」と判断するなどして、最高裁判決は、立法の経緯等から、薬事法は一律に第一類、第二類医薬品についての通信販売を禁止すべきとまでは考えていないと判断しています。

 
判決前に販売を禁止する法律の改正についての検討が行われる旨の報道があったようですが、最高裁がこのような判断をしていることからすると、もちろん法律の違憲判断ではないものの、今後政府が薬事法改正するとしても、一律禁止を断行する場合、当時とどれだけ現状が変化したのかの論証が行われるべきであると思います。実際はほとんど変わっていないでしょう。寧ろ、ECを利用することについて、ユーザーの理解の深度が進み、一般化が進んでいるように思います。禁止を正当化する立法事実は極めて乏しいのではないでしょうか。

もちろん厳格にいえば、本判決の効力の範囲の問題はありますが、実態のない正論に名を借りた一部の業界を保護するだけの規制にならないようにしてもらいたいものです。
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2012年03月03日

GREEvsDeNAの戦いの行方

先日、釣りゲームをめぐる訴訟で、判決があった。釣りゲームに似たゲームの配信で著作権を侵害されたとして、
グリーがディー・エヌ・エー(DeNA)に対し、配信差し止めと損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁は、DeNAによる著作権侵害を認め、これにより、配信差止と2億3460万円の損害賠償支払いを命じ、一方でDeNA側は即日控訴した。

・「釣りゲーム訴訟でグリーが勝訴 東京地裁、DeNAに配信差し止め・2億3000万円支払い命じる」(ITmediaニュース)

ゲームの場合は、単なるソフトウェアとしてはなく、ゲームの表示画面や内容などの著作物性も争われることがあり、判決文を分析してみたいと思う。

ただし、この2社の国内の争いはそろそろ、やりすぎな気もしている。海外では、すでに欧米で日本のゲームが相手にされなくなってきており、国内でもめていること自体がきわめてナンセンスな状態になってきている気がしています。寧ろこちらに危機感を持ってもらいたい気がします。特に、欧米のゲームインフラがゲームプロバイダ企業やコンテンツ企業を買収したり攻勢を強めてきている話もあると聞いている。日本勢として、第三の勢力に一気につぶされてしまうことの無いようにしてもらいたい。
せっかくここまで成長した企業同士なのだから、海外マーケットでしのぎを削ってもらいたい。

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2012年02月05日

平成24年1月31日、まねきTV,ロクラクU 知的財産高等裁判所の差戻審の判決について


 まねきTV事件及びロクラクU事件の差戻審の判決が知財高裁において出された。事実の認定について再度、検証してみたいと思う。
まずは取り急ぎ結果についての周知です。

第1 まねきTV事件の差戻審の結論について
【結論】
 ソニーの「ロケーションフリー」のベースステーションを有償で預かり、ネット経由で視聴可能にするサービス「まねきTV」を提供していた永野商店に対する訴訟で、知財高裁の飯村敏明裁判長は最高裁判決をうけ、永野商店を送信の主体と認め、公衆送信権侵害などで、永野商店にサービスの停止と約165万円の損害賠償を命ずる判決を下した。

【判旨の要点】
 
  まねきTV事件については、
 最高裁の判断の概要として「公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は,これがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは,自動公衆送信装置に当たる。また,自動公衆送信の主体は,当該装置が受信者からの求めに応じ情報を自動的に送信することができる状態を作り出す行為を行う者と解するのが相当であり,当該装置が公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,これに継続的に情報が入力されている場合には,当該装置に情報を入力する者が送信の主体であると解するのが相当である。

 と引用し、

 被告は,データセンターと称する事務所を賃借し,同所に,高速インターネット回線を準備し,ベースステーションを載置するラック,ルーター,ハブ,ケーブル及び分配機,ブースター等(いずれも汎用品)を調達したこと,本件サービスの申込者からロケーションフリーのベースステーションが送付されると,これを同所内に設置し,ブースター及び分配機を介してアンテナ端子に接続し,ハブ及びルーターを介してインターネット回線に接続するほか,ベースステーションにポート番号を割り当てる等の設定作業も行い,ベースステーションに専用モニター又はパソコン等からの指令さえあれば自動的に放送データを送信し得る状態になったことを確認した後,申込者に対し,設置,設定の完了等を通知すること,本件サービスの利用者は,被告の「サポートデスク」を通じて問い合わせができることが認められる。そうすると,被告は,ベースステーションをアンテナ端子に接続し,アンテナ端子を経由してテレビアンテナから本件放送が受信できるようにし,「テレビアンテナで受信された本件放送がベースステーションに継続的に入力されるように設定した上,ベースステーションをその事務所に設置し,これを管理している」ということができる。と判断し、

【@被告の反論、被告自身がアンテナを管理していない点について】
 確かに,被告が自らテレビアンテナを管理している事実は認められないが,被告の事務所内のアンテナ端子を経由してテレビアンテナから放送波を継続的に受信できる状態にしていることに変わりはないから,テレビアンテナを被告自身が管理しているかどうかは,本件における結論を左右するものではない。

【A被告の反論、本件放送が継続的に入力されるよう設定、管理していない点について】
 上記認定の事実に加え,被告は,事務所内にベースステーションを設置した後,電源が入っているかを確認し,夏季に空調を28℃に設定する(乙19)等の行為をしているから,被告は,「設定」や「管理」を行っていると評価すべきである。

 として、被告の反論を排斥したうえで、「ベースステーションに本件放送の入力をしている者は被告であり,ベースステーションを用いて行われる送信の主体は被告であり,本件放送の送信可能化の主体は被告というべきである。」とした。

 
 被告の積極的な行為として、設置、接続、設定行為、管理行為などの事実を認定したうえで、「情報を自動的に送信できる状態」を作出したと判断している。

平成22年1月31日付まねきTV事件の差戻審の判決文

第2 ロクラクUの差戻審の結論について
【結論】
 「ロクラクU」と名付けたHDDレコーダーをレンタルし、各利用者の指示で国内設置の親機がテレビ番組を受信録画し、利用者の子機操作で、海外も含めネット経由で視聴できるサービスを提供する日本デジタル家電に対する訴訟で、飯村裁判長は最高裁判決をうけ、日本デジタル家電を複製の主体と認め、複製権侵害などで日本デジタル家電にサービスの停止と約計1570万円の賠償を命ずる判決を下した。

【判旨の要点について】
 まず,ロクラクUは,親機ロクラクと子機ロクラクとをインターネットを介して1対1で対応させることにより,親機ロクラクにおいて受信した放送番組等を別の場所に設置した子機ロクラクにおいて視聴することができる機器であり,親機ロクラクは,設置場所においてテレビアンテナを用いて受信した放送番組等をハードディスクに録画し,当該録画に係るデータをインターネットを介して,子機ロクラクに送信するものであって,ロクラクUは,親子機能を利用するに当たり,放送番組等を複製するものといえる。また,被告は,上記のような仕組みを有するロクラクUを利用者にレンタルし,月々,賃料(レンタル料)を得ている(なお,被告は,第1審判決前の時点において,一般利用者に対し,親機ロクラクと子機ロクラクの双方を販売していたとは認められないのみならず,同判決後の時点においても,親機ロクラクと子機ロクラクのセット価格が39万8000円と高額に設定されていることからすれば,親機ロクラクと子機ロクラクの双方を購入する利用者は,ほとんどいないものと推認される。)。そして,日本国内において,本件サービスを利用し,居住地等では視聴できない他の放送エリアの放送番組等を受信しようとする需要は多くないものと解されるから,本件サービスは,主に日本国外に居住する利用者が,日本国内の放送番組等を視聴するためのサービスであると解される。

 さらに,本件サービスは,利用者が,日本国内に親機ロクラクの設置場所(上記のとおり,電源供給環境のほか,テレビアンテナ及び高速インターネットへの接続環境を必要とする。)を確保すること等の煩わしさを解消させる目的で,サービス提供者が,利用者に対し,親機ロクラクの設置場所を提供することを当然の前提としたサービスであると理解できる。そして,被告は,本件モニタ事業当時には,ほとんどの親機ロクラクを被告本社事業所内に設置,保管し,これに電源を供給し,高速インターネット回線に接続するとともに,分配機等を介して,テレビアンテナに接続することにより,日本国外に居住する利用者が,日本国内の放送番組等の複製及び視聴をすることを可能にしていたことが認められる。また,被告は,本件サービスにおいて,当初は,親機ロクラクの設置場所として,被告自らハウジングセンターを設置するこ
とを計画していたこと,ところが,被告は,原告NHKらから,本件サービスが著作権侵害等に該当する旨の警告を受けたため,利用者に対し,自ら或いは取扱業者等をして,ハウジング業者等の紹介をし,ロクラクUのレンタル契約とは別に,利用者とハウジング業者等との間で親機ロクラクの設置場所に係る賃貸借契約を締結させるとの付随的な便宜供与をしたこと,親機ロクラクの設置場所に係る賃料については,被告自ら又は被告と密接な関係を有する日本コンピュータにおいて,クレジットカード決済に係る収納代行サービスの契約当事者になり,本件サービスに係る事業を継続したことが認められる。

 上記の複製への関与の内容,程度等の諸要素を総合するならば,@被告は,本件サービスを継続するに当たり,自ら,若しくは取扱業者等又はハウジング業者を補助者とし,又はこれらと共同し,本件サービスに係る親機ロクラクを設置,管理しており,また,A被告は,その管理支配下において,テレビアンテナで受信した放送番組等を複製機器である親機ロクラクに入力していて,本件サービスの利用者が,その録画の指示をすると,上記親機ロクラクにおいて,本件放送番組等の複製が自動的に行われる状態を継続的に作出しているということができる。したがって,本件対象サービスの提供者たる被告が,本件放送番組等の複製の主体であると解すべきである。

 
 このような判断が行われたが、最高裁の判旨の中で、設定事例の中で、管理・支配の基準により判断した理由づけのなかで用いられた「枢要な行為」について、必ずしも行為の重要性から判断したというよりも、関与の内容、程度の諸要素から総合的に判断しているといえる。

 
 平成24年1月31日付ロクラクUの差戻審の判決文

 
 まだ小職としても、十分に検討し切れたわけではないので、これらの判決の評価については、今後の議論を踏まえてより詳細に検証してみることとしたい。

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2011年09月15日

話題の彼ログと法律上の諸問題

彼ログについて、個人情報やプライバシーの問題、そして、刑法第168条の二第2項(不正指令電磁的記録供用罪等)に該当するのかが問題となるとの議論も出てきている。少し気になっていることを書いてみたい。

1 サイバー刑法改正との関係について
 まず、不同意で、移動先を監視するためにインストールした場合は、同条の規定に基づく犯罪の成立についての議論の余地があろう。もっとも、子供や痴ほう症の老人の行方不明などの対策に使う場合も想定され、不同意であるから一律に犯罪が成立はどうか問題がある。この場合は、同法の正当の理由があるとして犯罪が成立しないとの考え方もあるかもしれない。いずれにしても、法文上は「正当の理由なくして」となっており、まだ新しい刑法の規定だけに現時点で解釈の方向性を断言することは難しい。

では、彼ログの開発会社は「同意をとってね。」といっているが、その場合は、上記議論を無視して大丈夫と断言できるだろうか。
 仮に、不同意で犯罪が成立する見解を前提とした場合、現状システム上は同意を確認して起動するシステムになっていないところ、口頭で同意をもらっても、いずれにせよトラブルになった場合に、同意した同意しないの問題をどのように証明するのかの問題は残されていることに注意をしてもらいたい。特に男女の関係はトラブルがつきもの、そもそも信頼できない人ならつきあうべきではない。そんなトラブルで刑事手続問題になること自体がナンセンスなので、このようなアプリはあまりお勧めできない。

2 同意してインストールした場合、同意して所在情報を発信し続けることの問題について
 それでは、この問題、個人のユーザーが使うことだけに議論がなされているが、特にその彼氏のAndroid端末にインストールするとして、その人は同意すればその他の問題はないであろうか。同意する側の属性についても考えてみたい。

 警察官であった場合はどうか、勤務中にどこにいるかは捜査情報となるだろうから、やはり警察官はこのようなアプリは使用するべきではない。また、自衛隊員である場合にも、その居場所自体が、一部防衛秘密(自衛隊法96条の2)になる可能性は否定できないのではないか。さらに、サラリーマンなら大丈夫かというとこれもそうでもなさそうだ。特に重要な案件の場合、取引の存在についても、契約上守秘義務が課されていることがある。この場合、担当者として頻繁に対象となる取引先企業に出入りしていることが付き合っている異性にダダ漏れでよいのか。そんなはずはない。万が一、その異性がライバル企業の人間だったら。。。。。このように場合によっては、不用意にこのアプリを使ってしまったことで懲戒解雇になるリスクが完全にないとは言えないと思われる。

 このように想定されるトラブルはまだまだありそうだ。業務用PCにウィニーをインストールすること禁止する内規のみならず、Android端末に彼ログをインストールしていないか組織的に確認しなければならないという事態に発展しないとよいのだが。今後の議論についても注視していきたいところである。

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2011年08月16日

google+アカウントの突然の削除

google+のアカウントが突然削除されるという事態が話題になっているようです。そこで、google アカウントの利用規約(注1)を見てみると以下のような記載があり、これが根拠ということでしょうか。

4.3 かかる継続的なサービスの革新の一環として、ユーザーは、Google が、事前の通知なく、その単独の裁量により(永久にまたは一時的に)本サービス(または本サービス内の何らかの機能)の提供を中止する場合があることを了承し、これに同意するものとします。ユーザーは、いつでも、本サービスの利用を中止することができます。本サービスの利用を中止する場合、特に Google に連絡する必要はありません。

4.4 ユーザーは、Google がユーザーに対してアカウントへのアクセスを無効にした場合、本サービス、ご自身のアカウントの詳細、またはご自身のアカウントに含まれる如何なるファイルもしくはその他のコンテンツへのアクセスができないことがあることを了承し、これに同意するものとします。

注1:一応規約上は、以下の通り、英文版が適用されるとしているので注意。

3.1 Google が本規約の翻訳を提供している場合、かかる翻訳はユーザーの便宜を図ることのみを目的としたものであり、ユーザーと Google の関係に関しては、本規約の英語版が適用されることに同意するものとします。
3.2 本規約の英語版と翻訳版で相違や矛盾が発生する場合、英語版が優先するものとします。


まず、上記の利用規約の条項について、消費者契約法8条、10条が関連する。この点、消費者契約法の議論上は、googleサービスは無償契約(注2)なので、無効にならないのではないかという方向での見解もあることでしょう。
しかし、googleが展開するサービスには、ユーザーの動向について、情報を獲得する利益や、ユーザーがアカウントを登録し、ざまざまな利用を行うことで、ユーザー数を増やすことで新たな広告ビジネスのインフラを構築できるというメリットがある。一方で、特にgmailやカレンダーのヘビーユーザーも多く一方的に、削除されアクセスできないという不利益を被るため、ユーザー側の登録、利用によって、インフラ提供者側が一定の利益を得ている関係にあるといえ、無償契約とは必ずしも利益状況は同じではないように思える。
まだまだ、利用規約の有効性の議論は十分ではないので、このブログでは不用意に結論を書きませんが、少なくとも契約の無償性のみを根拠に不当条項には該当せず問題ないと直ちに一刀両断的な結論を出すことは断言できないものと思われる。

注2、有償版もあるが、google appsアカウント有償版については、google+は現時点で対応していないようである。

アカウント停止の問題は、googleに限らず、他のサービスでも生じうることで、単にインフラを利用できないと言うだけではなくアカウントと連動している有償のポイントが利用できなくなりユーザーが経済的損失を被る可能性もある問題がある。一方で、システム提供者側は、不正アクセスを防止するためなど一定の必要性からアカウントを止めなければならない事態も発生する。今後は、理屈だけで議論するのではなくこの対立する利益のバランスをどのように図っていくかの議論を尽くしていかねばなるまい。

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2011年02月19日

経産省、情報システム開発のモデル取引・契約書とカスタマイズサービス提供

経済産業省では、システムトラブルの防止とシステム開発取引の健全化を図るため様々な取り組みを行っており、その1つがモデル契約である。このモデル契約は第1版と中堅ベンダ向けの追補版がある。

経産省、モデル取引・契約書<第一版>
 
・「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」報告書−モデル取引・契約書<第一版>−の公表について
 
・「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」報告書−モデル取引・契約書<第一版>−概要
 
・モデル取引・契約書<第一版>(PDF)
 
・モデル取引・契約書<第一版>(Word)

経産省、モデル取引・契約書<追補版>
 
・「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」報告 書−モデル取引・契約書<追補版>−概要
 
・モデル取引・契約書<追補版>−本編   PDF版   WORD
 
・モデル取引・契約書<追補版>−別紙(PDF版)
 
・モデル取引・契約書<追補版>−重要事項説明書   (修正履歴)
     PDF版(2008年5月12日修正)  
WORD(2008512日修正)
 
・モデル取引・契約書<追補版>−セキュリティチェックシート解説(PDF版)

この点、企業数の多い中堅前後のベンダでは、追補版をみると、なかなかこのままはでは使えないとの意見も多くいただくことがある。
そこで、社内でカスタマイズを試みるのだが、やはり、モデル契約の共通フレームを前提とした考え方など背景を知らずに改訂に取り組んでしまうとかえって整合性のとれないものができてしまう。その後のトラブルリスクを考えると、企業として標準的に使用するシステム開発契約書を作成するのであれば、ある程度はコストをかけるべきであると日々感じている。複数の企業において、実情に合わせて、モデル契約を参考として、カスタマイズ作業を行った実績がありますので、お困りの方はご相談下さい。

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2011年02月13日

ロクラクU最高裁判決

 最高裁判決では、「複製の主体の判断にあたっては、複製の対象、方法、複製への関与の内容、程度などの諸要素を考慮して、誰が当該著作物の複製をしていると言えるかを判断するのが相当」だとした上で、放送番組の場合にはアンテナで受信した放送を機器に入力しなければサービスとして成立せず、この行為はサービス提供に不可欠な「放送番組の複製の実現における枢要な行為」であり、サービス提供者が複製の主体であると解するのが相当だと指摘し、原審判決を破棄して、審理を知財高裁に差し戻した。まねきTVの判旨よりかはましなのだが、やはりこちらも、射程範囲についてもう少し議論が必要だ。最高裁判例解説を待ちたい。

 最高裁判決(PDF)
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110120144645.pdf
 知財高裁判決(PDF)
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090224172114.pdf
 東京地裁判決(PDF)
 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080529122138.pdf

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posted by NAY at 00:09| 電子商取引/IT/コンテンツ

2011年01月20日

まねきTV事件 最高裁判決

まねきTV事件を巡っては様々な媒体で議論されおり、私も判決をざっとですが見てみました。
厳密な評価はまだまだこれからいろいろな議論を見守っていきたいと思いますが、取り急ぎ感想まで。

最高裁は、「
自動公衆送信は,公衆送信の一態様であり(同項9号の4),公衆送信は,送信の主体からみて公衆によって直接受信されることを目的とする送信をいう(同項7号の2)ところ,著作権法が送信可能化を規制の対象となる行為として規定した趣旨,目的は,公衆送信のうち,公衆からの求めに応じ自動的に行う送信(後に自動公衆送信として定義規定が置かれたもの)が既に規制の対象とされていた状況の下で,現に自動公衆送信が行われるに至る前の準備段階の行為を規制することにある。このことからすれば,公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は,これがあらこれがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは,自動公衆送信装置に当たるというべきである。」
「そして,自動公衆送信が,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置の使用を前提としていることに鑑みると,その主体は,当該装置が受信者からの求めに応じ情報を自動的に送信することができる状態を作り出す行為を行う者と解するのが相当であり,当該装置が公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,これに継続的に情報が入力されている場合には,当該装置に情報を入力する者が送信の主体であると解するのが相当である。」と判断し、今回の事例において送信可能化、公衆送信に該当するとの評価をしている。

判決文はこちら

個人的には、送信可能化権は、準備行為の規制の趣旨があるにしても、単一の機器宛に送信する機能しか有しないという点は非常に大きな問題であると思われ、今回の結論を導くには別の理論構成があったのではないかと思います。自動公衆装置といえるかについて、「当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるときは」としているにもかかわらず、「公衆」の求めに応じてを先に考えずに、主体の議論を先に持ち込んで、「主体」を判断してから、「公衆」性を判断しているのがどうもしっくりきません。もう少し、今回の最高裁の評価について、今後の議論を踏まえてハウジングサービスやクラウドサービスへの影響なども検討したいと思います。

ところで、今回の判決とは直接的には関係ないのですが、永野商店がやれなくなったとしても、海外でオンデマンドでTVを見るサービスについては、これから日本人が海外市場にどんどん出ていかなければならない時世において、TV局がその社会的責任として、海外の日本人に、日本の情報を提供するインフラの整備をしていく責任はあると思います。ユーザーの視点に立ったコンテンツの運用にも今回の事件を契機に考えてもらいたいと思います。

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posted by NAY at 16:03| 電子商取引/IT/コンテンツ

2010年09月10日

掲載されない自由 食べログ提訴の報道から

食べログに掲載された飲食店が、掲載の削除を止めて提訴した。(報道参照)記載内容等は不明ではあるが、誹謗中傷ではない事例ではあるが、店のメニューや外装が更新されていない点が問題にされているようだ。このような事例において裁判所がどのような判断をするか注目したい。もっとも、食べログの掲載情報は、写真などはいつ掲載されたものかなどの記載は有るようなので、原告側がどのような理論構成にも工夫が必要かもしれない。
 
インターネット上においては、一度掲載されると自己情報をコントロールする権利としての削除できる権利、訂正できる権利が必ずしも保証されない結果となる事例も多く今後議論していかなければならない問題と思う。今回の事例は別としても、一般論としては、情報の性質・掲載された情報が事実と異なる場合の影響度合いに応じて、一定の範囲内で情報の削除修正はできるべきと考えるが、裁判所が今回のような事例でどこまで踏み込んだ判断がなされるか注目である。

 

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posted by NAY at 19:53| 電子商取引/IT/コンテンツ

2010年08月19日

総務省・消費者庁出会い系サイトに迷惑メール関連法措置命令

総務省と消費者庁は、アンビションに対し、出会い系サイトの広告または宣伝を行う電子メールの送信に当たり、受信者から同意を得ておらず、電子メールの本文に法に規定された事項を表示していなかったとして、特定電子メール法違反により措置命令を実施しました。
⇒ 総務省のウェブサイト
個人的には、特に出会い系とか明らかに好ましくない性的な事項に関し勧誘する内容のメールに関し手はもっと端的に取り締まる方法を考えたほうがよい位に考えてしまいます。特にyahooのメールに多い迷惑メールの中に、明らかに詐欺的な行為の準備段階と思われるメールも多いので、こういった行為は詐欺予備的な刑法犯の成立も検討してもらいたいと個人的な感想を持っています。少し過激かもしれませんが、有限なインターネットのインフラにおいて迷惑メールのトラフィックは無視できないものになっているし、特に出会い系の迷惑メールが犯罪の温床になっていると疑われる事例も少なくないのではない気がしている。
少し過激な意見でしょうか。


 

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posted by NAY at 22:36| 電子商取引/IT/コンテンツ

2010年05月01日

フェースブックのLIKEボタンと検索エンジンの危機?

フェースブックが公表したLIKEボタンが反響を呼んでいるようですね。検索エンジンとの関係では記事もでています。但し、この記事にあるように検索エンジンが入り込めないうえ、フェースブックの特性でもある特定のユーザとの属性が通常のリンクよりも強く表れ、利用者数を増やしているようです。どこまでこの傾向が続くか。リンクの問題やSEO対策の問題は、新たな局面を迎えそうですね。しかし、ITの世界は動きが早く、自分で実際にやってみないと法的評価を検討することができないため、我々法律家もキャッチアップするのが大変です。
 

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2010年04月07日

twitter ドメイン騒動

twitter.co.jpのドメインが、ツイッター社が日本支社を持たないがために未登録であったことから、日本のITコンサルティング企業が登録を行い、トラブルとなり、日本知的財産仲裁センターの裁定が行われた。日本企業側の釈明は報道にも出ているようですが、ちょっと釈然としませんね。
この手の報道がなされやすい事態に発展する事例については、企業としてのレピュテ-ションリスクもあります。リスクのある行動を行っていないか、また、釈明を行うことを迫られる事態への備えができているか。普段から企業の評判・評価に影響しないようにするマネジメントが求めらると思います。

 

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2010年03月10日

システム開発委託契約モデル契約追補版について

経済産業省では、システム開発委託契約に関し、モデル契約を公表している。ベンダとユーザーのIT技術への理解の程度の格差に配慮し、不動産等の重要事項説明書の考え方を参考に、日々開発過程で仕様等が変化する問題点などに配慮し、多段階での契約を提唱している。
理想的にはそのような契約が締結できればよいのだが、悩ましい問題としては、やはり何段階もの契約の締結を営業的な観点から利用しにくいとの現場の意見も聞くことがある。システム開発の場合は、ウォータフォールモデルで開発を行ったとしても、コーディングや運用試験段階で、また要件定義の確認に戻ってしまう事例もあり、当初と異なり事実上スパイラル的な開発になってしまうこともある。仕様変更の管理の重要性は言うまでもないが、必ずしもIT部門などを持たない中堅企業がユーザーになる場合、なかなかこの管理を行うことができない。どのような要素を考慮するかは難しいがシステム開発基本契約にM&Aの契約のように価格調整条項的な発想も検討して今後アドバイスに取り組んでみたい。

 
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2010年02月04日

ソフトウェア紛争とADRの利用−メリットと課題が開催されます。

近時、情報システム・ソフトウェアが担うビジネス上の役割は益々重要になっているなかで、情報システム障害が発生した場合の影響は、時として社会的問題にまで発展し得るものであり、そのようなトラブルが発生した場合に、如何に迅速かつ円滑に解決するかは企業経営にとって重要な課題となっています。このような課題に対する解決策として、裁判に比較してより柔軟な解決が可能であるといわれているADR(A裁判外紛争解決手続)に注目が集まっています。そこで、ソフトウェア開発を巡る紛争のADR制度の紹介と活用についてセミナーが平成22年3月2日に開催されます。小職もセミナーの一部で登壇いたします。
 
詳細は、SOFTICのウェブサイトをご覧ください。

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2010年01月28日

ネット購読料高騰に悲鳴との記事について

科学や医療などの学術雑誌がネット上で閲覧できる「電子ジャーナル」の購読料が高騰を続け、各大学の図書館が悲鳴を上げている。との報道がなされています。学術論文が気軽に検索できることは非常に有意義ですし、情報へのアクセススピードを確保するためには必要なことです。

確かに、学術雑誌は二重投稿が禁止され、各分野の研究は最新の成果を載せた雑誌を読むしかなく一定の欧米の出版社で市場のほとんどを占めて価格競争が働きにくいなどの要因から、値上げが続いているとのことですが、早急に一大学ごとに交渉するのではなく連携を行う動きも加速してもらいたいですし、国の政策においても、予算削減ばかりに走らず、技術立国として生き残り続けるためのインフラ投資として考えてもらいたい。「2番手ではだめなのですか」となどとは聞きたくもない。
 
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2010年01月06日

平成22年1月1日付で改正著作権法が施行されています。

すでに各メディアでも話題になっていますが、著作権侵害のダウンロード行為等を問題にした改正著作権法が平成21年1月1日付で施行されています。詳細は文化庁のウェブサイトおよびPR動画をご参照ください。
ただ、ユーザー側の違法サイトの認識や違法配信の受信行為に利用されたISP等の責任論等まだまだ今後議論になりそうな話題があり、今回の改正でまた新たな問題もでてくるかもしれません。

 
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2009年12月24日

ジェイコム株誤発注東京地裁判決

東京地裁でみずほ証券と東京証券取引所の東京地裁判決が下されたがいったんは控訴断念との報道がなされたもののみずほ側の控訴で両者控訴する事態に発展している。確かに、みずほ側の誤入力は致命的なミスであるとして過失相殺が議論されていますが、その割合の合理性や、損害を認めた時間的な切り分けについてまだまだ争いが続きそうです。システムの不具合の点についても控訴審ではどのように判断されるのか注目されます。
 
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