2012年02月25日

インターネットモールの商標権侵害の責任 詳細版

ネットショッピングモール「楽天市場」でキャンディー「チュッパチャプス」のロゴを使った商品を無断販売され、商標権を侵害されたとして、商標権を管理するイタリアの企業が、サイトを運営する「楽天」に100万円の損害賠償などを求めた訴訟の平成24年2月14日知財高裁判決について少し分析したいと思います。

まず、判決の全文はこちら

裁判所の判断の要点は、
本件における被告サイトのように,ウェブサイトにおいて複数の出店者が各々のウェブページ(出店ページ)を開設してその出店ページ上の店舗(仮想店舗)で商品を展示し,これを閲覧した購入者が所定の手続を経て出店者から商品を購入することができる場合において,上記ウェブページに展示された商品が第三者の商標権を侵害しているときは,商標権者は,直接に上記展示を行っている出店者に対し,商標権侵害を理由に,ウェブページからの削除等の差止請求と損害賠償請求をすることができることは明らかであるが,

そのほかに,ウェブページの運営者が,単に出店者によるウェブページの開設のための環境等を整備するにとどまらず,運営システムの提供・出店者からの出店申込みの許否・出店者へのサービスの一時停止や出店停止等の管理・支配を行い,出店者からの基本出店料やシステム利用料の受領等の利益を受けている者であって,その者が出店者による商標権侵害があることを知ったとき又は知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるに至ったときは,その後の合理的期間内に侵害内容のウェブページからの削除がなされない限り,上記期間経過後から商標権者はウェブページの運営者に対し,商標権侵害を理由に,出店者に対するのと同様の差止請求と損害賠償請求をすることができると解するのが相当である。

と判断しています。
この点、商標権侵害があることを知った時または知ることができたと認めるに足りる相当な理由がある場合に責任を認める旨の判断が行われていることから、モール側の対応として削除対応の判断が難しいのが、
@ 商標でも類似・非類似の判断が難しい場合や、
A 不正競争防止法2条第1項第1号または第2号のみで削除要請がなされた場合、著名性や周知性が認められるかどうかの判断について難しい場合、たとえば、海外でも有名なブランドでほかの裁判例においても周知性が認められている削除要求者なら良いのですが、そうではない事例で、商標権の侵害や不正競争行為に該当するかの判断が難しい場合
などがあげられます。

少なくとも、モール側のリスク回避のためには、モール側の判断で、円滑な削除ができるように環境を整備しておくことが望ましいのではないでしょうか。たとえば、利用規約に、知的財産の侵害のおそれのある行為の禁止、出品の削除や出品店の利用停止についても知的財産侵害のおそれの文言の規定、モールが責任を負うことになった場合の補償責任などの規定はこれまで以上に重要になっていると思われます。

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posted by NAY at 21:52| 知的財産