2011年09月14日

製造業必見、知財高裁、流通している製品から容易に取得できる情報は営業秘密ではないと判断

知財高裁平成23年7月13日判決は、流通している製品から容易に取得できる情報は、「公然と知られていないもの」(不正競争防止法第2条第6項)には該当しないとして、営業秘密には該当しないと判断した。特に、製造業においては、販売した製品からリバースエンジニアリングしされ、同様の製品を作り上げることはよく行われてしまっているのはご存じの通りです。
当職は、これまでも、秘密情報ではないとアドバイスすべきであると考えておりました。しかし、今回この判例の判断を受けて改めて製品から技術情報を読み取れる場合に、特許権利化ができていない場合は、リバースエンジニアリングされない製品の設計方法又は特許権利化の検討が必要であることを再認識させられます。


以下は判旨です。
「原判決( 東京地裁平成2 0 年( ワ) 第3 4 9 3 1 号同2 3 年2 月3 日判決) は, A社からY 1 に対して光通風雨戸の部材( 本件情報1 )及び部品( 本件情報2 )に係る図面等が交付されていた旨を認定した。そして, 原判決は, これらの図面が0 . 1 ミリ単位の精密さで作られていることなどからすると, 光通項風雨戸の製品からその形状を正確に把握し, 図面を起こすことは決して容易ではなく, これらの図面に記載された情報が, 光通風雨戸の製品が流通していたとしても, 公然と知られているものであるとはいえないから不正競争防止法2 条6 項の「営業秘密」に該当する旨を判示し,Y 1 及びY 2 による雨戸の製造・販売が,同条2 項7 号の当該営業秘密を不正の利益を得る目的で使用することに該当すると判断して, Y 1 及びY 2 に対して雨戸の製造・販売の差止めのほか, 3 1 9 5 万6 5 8 1 円の損害賠償等の支払を命じた。」

しかし、

「知財高裁の判決では,Y 1 に対して交付されていたのは本件情報2 に係る図面等だけであると認定した。そして, 判決は, 市場で流通している製品から容易に取得できる情報は,不正競争防止法2 条6 項所定の「公然と知られていないもの」ということができないところ, 本件情報2 に係る部品が, いずれも光通風雨戸を組み立てるに当たって使用される補助的な部品で, 一般的な技術的手段を用いれば当該雨戸の製品自体から再製することが容易なものであるから, 本件情報2 は, 「公然と知られていないもの」ということはできない旨を判示した。」

詳細は知財高裁のウェブサイトへ


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posted by NAY at 12:17| 知的財産