2011年03月07日

相続人死亡の代襲相続と遺言、最高裁判決

事例は、「母親が遺言で、子2人のうち長男に「全財産を相続させる」旨の指定をしていたところ、母親よりもこの長男が先に死亡。そこで、この長男の子ら(孫)が、遺言により「全財産の相続」を代襲相続すると主張した。これに対し、長男のきょうだい(長女)が原告となり、長男の子らに法定相続分の権利の確認を求めていたというものです。なお、母の夫はすでに亡くなっていた。」というものである。


争点としては、母の相続人指定の遺言の効力は、長男に対する関係に限るのか、長男の系統の卑属(子や孫)に対する関係にまで生ずるのかです。平成23年2月22日、最高裁判例は次のように判断しました。


「遺言をする者は,一般に,各推定相続人との関係においては,その者と各推定相続人との身分関係及び生活関係,各推定相続人の現在及び将来の生活状況及び資産その他の経済力,特定の不動産その他の遺産についての特定の推定相続人の関わりあいの有無,程度等諸般の事情を考慮して遺言をするものである。」とした上で、
このような遺言者は,「通常,遺言時における特定の推定相続人に当該遺産を取得させる意思を有するにとどまるものと解される。」とし、
「当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人(−例えば遺言者の長男−)が遺言者の死亡以前に死亡した場合には,当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから,遺言者が,上記の場合には,当該推定相続人の代襲者(−例えば、長男の子供、遺言者から見れば孫−)その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り,その効力を生ずることはないと解するのが相当である。」として、遺言の効力は生じないとしました。つまり、本件では、長男の兄弟姉妹(長女)の法定相続分が確認されることとなった。

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posted by NAY at 00:50| 相続・事業承継