2011年03月07日

平成23年度税制改正と相続・事業承継への懸念

 平成23年度税制改正により、相続税が大幅に上がるのはご存じかもしれない。私自身は税理士ではないが、やはり以下のような改正において、一番気になっているのは、事業承継と相続紛争の増加への懸念だ。事業承継において、株式の評価は当然問題になり、現実問題として、事業を承継する経営者に潤沢なキャッシュがあることは、最近では、むしろ少ないのではないか。これでは、税金を支払うことができずに、株式を譲り受けることができない事例も増えてくる。
さらに、今回の改正で、今回死亡保険金の控除も少なくなっているので、相続時の保険金による潤滑油的な遺産分割時の調整にも一定の限界がでてくる。国の財政が厳しいのは分かるのだが、特に現実にキャッシュがあるわけではない、株式等の相続の場合に、中堅企業や中小企業の経営陣の事業承継がうまくいかずに破たんする例などが出ないことを祈るばかりである。単純に相続税から取ればよいのだと短絡的なことを言う一部民主党議員がいたが、一方で中小企業支援をしっかりやらねばなどと言っていた。自分たちがやっていることの本当の意味を全く分かっていない。個別の各論について、まともに研究しているとは思えない。皆さんはどのような感想をお持ちだろうか。

【基礎控除の圧縮】
 現行   5,000万円 + 1,000万円×法定相続人の数

 改正後  3,000万円 + 600万円×法定相続人の数
 ・上記改正により、相続税がかかる範囲が拡大されることになる。
  例えば相続人1人の場合、現行では6,000万円の基礎控除があったが、改正後は3,600万円に減額される。

【相続税率の変更】
各取得分の相続税の税率のうち2億円超の金額に対する税率が上がり、最高税率が55%になる。 

 現行

       

 改正後

 各取得分の金額

税率 

控除額 

各取得分の金額 

 税率

控除額 

 1000万円以下

10% 

─ 

 1000万円以下

 10%

 ─

 3000万円以下

 15%

 50万円

 3000万円以下

 15%

 50万円

 5000万円以下

 20%

 200万円

 5000万円以下

 20%

 200万円

 1億円以下

 30%

 700万円

  1億円以下

 30%

 700万円

 3億円以下

 40%

 1700万円

 2億円以下

 40%

 1700万円

 3億円以下

 45%

 2700万円

 3億円超

 50%

 4700万円

 6億円以下

 50%

 4200万円

 6億円超

 55%

 7200万円

(注)各取得分の金額とは法定相続分に応じた取得金額をいう。


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posted by NAY at 00:17| 相続・事業承継