2015年12月21日

コーポレートガバナンスが機能せず企業不祥事が起こった場合の技術流出と経営者責任の重み

東芝の不祥事に関し、新日本有限責任監査法人への行政処分と課徴金のニュースが飛び込んできている。記事によれば、今後旧経営陣を含む上層部への責任追及の検討がなされるようである。企業が課徴金を課されたり、水増しや粉飾があった場合、企業としての業績を回復させるために企業再編の動きに繋がることが多い。

しかし、企業再編によって、今後の日本で何が起こるのかをもう少し真剣に考えてもらいたい。中国では、今に始まったことではないが、不動産などの買収のみならず、知的財産を含む技術を狙った買収が増えてきている。これは、今までのM&Aにも現れている現象であるし、以下の日経の記事にも現れている。

知的財産も爆買い 半導体の「飢えた虎」 (中国と世界) 日本経済新聞の記事


中国もこれまで、不動産等の資産の膨張によるバブルによる成長に限界が生じ、企業も下請け工場から、独自の技術による成長を考えなければならないフェーズにきており、東芝の企業再編やシャープの業績不振などは、格好のターゲットになる。

東芝は、このような中国の政策的な動きの格好のターゲットになる。そして、一度買収され海外に流出した技術は、少子高齢化、人口減少に対する対策を何も打てない日本には絶対に戻ってこない。なぜならば、市場としての魅力が全くないのみならず、さらに自国の産業強化にその目的があるからである。これは、企業不祥事が雇用を消滅させ、日本経済にダメージを与えかねない状況にあるということを意味している。

東芝の不祥事に関し、この結果、リストラが検討されているが、人間の頭にある技術流出もある。このような日本経済を支えるノウハウの流出が不祥事に伴って発生するという現実も起こる。取締役の責任はそれだけ思いと考えなければならない。

弁護士の我々も、国の政策としてももっと議論し、コーポレートガバナンスや社内の機関設計・内部統制を議論しなければならないのではないかと強い危機感を感じる。ただ単に士業として稼ぐためだけの仕事をしている弁護士ではなく、日本のこのような現状に微力ながら何かできないか真剣に考えなければならないと日々考える。まずは、企業内のコーポレートガバナンスや内部統制の機能をしっかりと構築しつつ、取締役会の機能評価、役員へのより広い視点での啓蒙を続けていきたいと思う。


posted by NAY at 08:28| コーポレートガバナンス