2012年01月22日
食べログ、ヤフー知恵袋に見るやらせ問題について
企業法務における弁護士の業務への誤解
2011年11月27日
オリンパス事件と政府の社外取締役の義務化方針
個人的には、効果的な不正防止へ向けたガバナンスを検討するには、やはり法律による一律の制度設計では困難であると考える。外部の意見をとりいれる制度を構築しても、どのような人間が関与するかで制度自体の目的が骨抜きになることは、否定できない。一方で過半数を社外取締役にするような議論もあるが、これはこれでかえって経営のスピードを停滞させることにならないか、慎重な議論をすべきである。
現時点では、まだ、最近話題の事件での第三者委員会の意見も、刑事事件の捜査の進展もこれからである。原因を断定することはできない。これらの不祥事について真相が明らかになり次第、これを踏まえた上での議論をしてもらいたい。規制をするのは簡単だが、不正防止に対し、効果的な制度設計を検討すべきである。一方で、日本の活力を失わないために、経営のスピードを止めないようなバランスも図るべきだ。
今回の問題は、以下のような視点も含めて議論しなければならないし、問題は以下の視点に限られるものでもない。
@社外取締役を義務化するだけの議論ではなく、社外の役員人材をどのように確保するのか、育成するのか。
A仮に社外取締役を選任するにしても大手企業OBばかりが社外取締役・社外監査役になるような制度でよいのか。
B根底に、上司に従っていればよいとか事なかれ主義の風土に日本の教育が影響していないのかも考えるべきである。
Cさらに、良い人材を確保できてもエンロン事件の社外取締役の議会での証言では、情報が適切に与えられなかったとの指摘もあり、このような場合にどう対処するか。
Dまた月1回開かれる取締役会で、社外取締役にどれだけの情報入手能力があるか。おそらく正規の取締役会以外で、議論される不正への問題というものが存在するのも否定ではできない。
これらの問題を見ても、社外取締役だけを声高に叫んでも、それだけで不正防止への特効薬になるわけではないのである。政府与党は、どうも報道や外圧などに影響されて、制度の改正を議論しているように思えてならず、個別の問題について独自の解決能力があるとは到底思えない。円高、震災後の復興、TPP問題もあり、混迷を極めるこの時代において、理念も政策提案能力もない民主党にこれ以上政権を任せていたよいのか極めて疑問である。
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2011年11月16日
相続税増税の見送りにより顕在化しなかった相続トラブル増加と事業承継への障壁
政府税調は15日、未成立の11年度税制改正法案に盛り込まれていた相続税増税などについて、12年度税制改正に引き継ぎ実施することを見送る検討に入った。野党の反発が強いため。消費税増税論議を優先し、増税項目を絞り込む必要があると判断した。これには私も安心しました。
というのは、最近の相続紛争において、現預金が豊富にある事例は少なく、必ずと言ってよいほど流動性の少ない固定資産や株式などの処分を求められる事例が多く、遺産分割協議において円滑に財産の分配が進まずこの評価を巡って血みどろの紛争に発展する事例は少なくなかったからです。このような状況下で、相続税の基礎控除部分が引き下げられると、こういった紛争事例はより増えて、これまでトラブルにならなかった事例が、納税をきっかけとして紛争化する事例の激増を大変危惧していたのです。
さらに、この税制は、中堅企業や中小企業の事業承継においても大きな影響を懸念していました。特に、相続税の基礎控除の引き下げは、流動資産を保有していないオーナー企業にとっては、大きなトラブルとなり、オーナー親族の紛争に発展し、最悪の場合、倒産にに至る例もこれまでも存在していましたから、さらに増えるのではないか大変心配していました。特に地方などの雇用を支える中堅企業や中小企業の数がより少なくなり、地方の疲弊はより進むことになりかねなかったのではないでしょうか。
今の政権与党は、お金のあるところから取ればよいと言うが、政策の実行過程で、その負の部分に耳を傾けずに単に政治的な人気取りに走り対応を誤れば、ただでさえ再就職の厳しい地方において、多くの人を路頭に迷わせることになる。今回は、野党の反対でこのようなことは防止されたが、税制改正の場面では負の要素をきちんと検証してもらいたいと考えています。
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2011年11月09日
DRMと個人情報保護、営業秘密管理対策
しかしながら、このDRM技術、最近では、企業の個人情報の保護や営業秘密を記録した電子データの管理の一手法としての使い方が出てきており、常日頃から製造業やIT企業などのこの分野についてアドバイスを行っている小職としては大変参考になるお話であった。やはり個人情報の漏えいについては、いま議論されている消費者の集団訴訟の制度に対するプロテクションの観点から、非常に有益なソリューションとなる可能性があるほか、営業秘密に関しても、特に漏洩事例が多い退職者の情報持ち逃げなどについて、個別に退職者を不正競争防止法で摘発するよりも記録された情報を使えなくする点で非常に有益である。
今後、法律だけではなく、こういった技術についても広くアンテナを張り、セキュリティの会社とも連携して高度なアドバイスを実現したいと考えています。
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2011年11月06日
ミログ問題とその後
ミログのスパイウェア問題、ほめられたものではないが、一方で、感情論もある気がしてならない。確かに、ユーザーの許諾なく情報が発信される点において、プライバシーの問題や新たに施行されたサイバー刑法上の論点は存在し、法律上問題があるのも事実だ。
しかしながら、みなさんがご存じの本当に海外のサービスには本当にみなさんのアクセスログやアプリの利用履歴等は全く利用されていないのであろうか。英語だし海外だしよくわからないといった感覚だけで黙認してしまっている気がする。ミログだけがたたかれたという気がしてならない。某SNSなどでも、携帯端末の電話帳データが勝手にその会社のサーバーに送られているような事態が最近あったのも事実である。にもかかわらず、日本ではあまりたたかれることはなかった。このような問題が逃げ方がうまいということで片付けられてよいのであろうか。
一方で、ターゲティング広告や、ライフログ情報を参考にしたビジネスモデルはもはや海外では止められない勢いを有しており、伝統的な広告業界にとっては大きな痛手となっているのは事実である。もちろん、個人からすればこのような情報の利用のされ方は気持ち悪いし、プライバシー侵害だと言いたくなる気持ちも分かる。但し、日本のこれらの分野のサービスは、欧米に比べると大きく後れをとっているし、日本の消費者層は、日本語のサービスではない海外となると必ずと言っていいほど何も言わなくなる傾向にあり、どんどん差が開いている。海外と対峙する企業を育成する一方で、国民のプライバシーを保護するバランスを持った議論も必要だ。
もっとも、当然のことながら、プライバシーを無視し軽視してよいということにはらない。行動履歴やライフログの問題について、一定の説明責任などの規制をつけたオプトアウトによる制度設計もあるかもしれない。但し、今回の問題のような一見オプトインのような説明表示をしておきながら、オプトアウトのような設計をするような行為についてはユーザーを欺く行為でありこれが許されないのは言うまでもない。
みなさんの意見はどうだろうか。どのような解決が一番よいでしょうか。@全て規制してしまうか。Aオプトイン方式ならよいか。Bそれともリスクについての説明責任を課した上でのオプトアウトか。
尚、ライフログについての問題の詳細についてはこちら(IPAの報告書)
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2011年10月11日
ベンチャーと大学の産学連携と大学教授の移籍
しかしながら、大学の教授が移籍するとTLOと企業が結んだ契約の効力が及ばなくなり、トラブルになる事例も少なからず存在する。
この問題は、大学と教授、企業の間の利益相反の問題を含んでおり、この点の対応は柔軟な対応が難しいことが多い。事前に大学教授と企業間で直接別途覚書を締結するなどの対応も考えられるが、大学側がこれを禁じている場合もある。
この点については、正直なところ、大学というステークホルダーの存在によりかえって技術の発展を阻害することもある。もう少し柔軟な運用も検討していただきたいところだ。
米国の大学を参考に、産学連携と大学の知的財産の権利の強化をうたい日本でも急速に体制の整備は進んだ。しかし、一方で習ったはずの米国の一部の大学は行き過ぎた知財対応のためにかえって企業側から敬遠されるようになり、産学連携が減少し、他国への共同へ企業がながれてしまった歴史を経験した。そこで、米国では逆に柔軟な対応へ舵を切った大学もある。
もちろん大学にも一部の利益が還元されるべきではあるが、技術の発展のためにステークホルダー同志が連携する制度作りを考えてもらいたい。これらを法務面から支援する我々もよちよち歩きの技術が生み出す利益を多くの人に利用してもらうためにどうすればよいかという視点を持って支援をしなければならない。大変難しい問題である。
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2011年10月04日
公務員宿舎凍結の問題と有益な議論の不存在
公務員を優遇し過ぎだという。確かに問題のある公務員の層がいることを私も否定しない。
しかしながら、少なくとも公務員といっても多くの役職、業務の種類があり、我々の生活に欠かせない業務や国の政策に必要不可欠な部署も多く存在する。公務員をたたけば必ず財源が捻出されるわけではない。むしろ、無駄な財源をかけずに効率のよい政策を提案・実行したものをよりよい官舎や人事で反映していくような全く違った議論はなぜ起こらないのか。また、規模を縮小して建設するという案は議論されないのか。さらには、いったん凍結した場合の業者から国への損害賠償請求はどうのなるのか。議論すべきことは山ほどあるのと思われる。
もういい加減、一般論だけを述べて個別の分析が全くなされていない一刀両断型の議論は何も解決しないことに気が付いたらどうなのか。
一方で、国会議員や地方自治体の議員は、その働きに対し、どれだけ優遇されているのであろうか。寧ろこちらの方が、極めて無能なかつ自己保身的な人材が多く大きな問題であるように思われるにもかかわらず、議論は遅々として進まない。
少なくとも私の知っている官僚や自治体の職員は、涙ぐましいくらいの努力をしている。ただ単に批判するだけなら馬鹿でもできる。排除すべきは役に立たない公務員のみであるはずであり、もう少し分析的に議論をしなければならない。また、批判している方の多くは、自分たちへの負担や利益にならないだけの感情論になっている。このような感情論を述べる方に本当に公務員宿舎を新設せずに、古い官舎を維持した場合のコストを比べた方はどれだけいるだろうか。
感情論もよいがそろそろ冷静にこの国をどうしたいのか国民1人1人が考えるべきだと思う。政府に頼ってばかりではなく、1人1人が国(なお、ここでいう国は政府ではなく、我々が暮らす日本という大きな社会をとらえている。)を支えるような意識を持って行動すべきである。我々は、これがどこまでているか。かつて福澤諭吉も国を支えて国を頼らずと独立自尊のを説いたが、その当時と今の国民でどれだけ進歩したのか。本当に一人一人が反省しなければならないと感じる。
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2011年09月25日
粉飾決算のインネクスト破産
平成23年6月17日の夜に同社が発表した開示資料によって粉飾が明らかにされた。同社発表の4年9ヶ月における売上高は総額51億2,203万円、当期純損失は累計9,687万円(平成20年6月期に2億超の損失を計上)であった。しかし、23億9,932万円の架空売上と3億460万円の売上前倒しを行い、10億6,394万円もの架空利益を計上がなされていた。つまり実態は、4年9ヶ月における売上高は27億2,271万円、当期純損失は11億6,081万円という状態にすぎなかったことになる。監査法人もここまで大きな粉飾を見抜けなかったのは、やはり監査のあり方も考えなければならない。
粉飾ではないにしても、業績が悪化している新興市場の企業を狙うおカネの流れがあるとの話も聞く。粉飾はいずれ終わりが来る。しかも刑事責任も問われる。新興市場への上場を目指す会社には厳しい見方をしてきていたが、より厳しい見方をしなければいけません。
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2011年09月15日
話題の彼ログと法律上の諸問題
1 サイバー刑法改正との関係について
まず、不同意で、移動先を監視するためにインストールした場合は、同条の規定に基づく犯罪の成立についての議論の余地があろう。もっとも、子供や痴ほう症の老人の行方不明などの対策に使う場合も想定され、不同意であるから一律に犯罪が成立はどうか問題がある。この場合は、同法の正当の理由があるとして犯罪が成立しないとの考え方もあるかもしれない。いずれにしても、法文上は「正当の理由なくして」となっており、まだ新しい刑法の規定だけに現時点で解釈の方向性を断言することは難しい。
では、彼ログの開発会社は「同意をとってね。」といっているが、その場合は、上記議論を無視して大丈夫と断言できるだろうか。
仮に、不同意で犯罪が成立する見解を前提とした場合、現状システム上は同意を確認して起動するシステムになっていないところ、口頭で同意をもらっても、いずれにせよトラブルになった場合に、同意した同意しないの問題をどのように証明するのかの問題は残されていることに注意をしてもらいたい。特に男女の関係はトラブルがつきもの、そもそも信頼できない人ならつきあうべきではない。そんなトラブルで刑事手続問題になること自体がナンセンスなので、このようなアプリはあまりお勧めできない。
2 同意してインストールした場合、同意して所在情報を発信し続けることの問題について
それでは、この問題、個人のユーザーが使うことだけに議論がなされているが、特にその彼氏のAndroid端末にインストールするとして、その人は同意すればその他の問題はないであろうか。同意する側の属性についても考えてみたい。
警察官であった場合はどうか、勤務中にどこにいるかは捜査情報となるだろうから、やはり警察官はこのようなアプリは使用するべきではない。また、自衛隊員である場合にも、その居場所自体が、一部防衛秘密(自衛隊法96条の2)になる可能性は否定できないのではないか。さらに、サラリーマンなら大丈夫かというとこれもそうでもなさそうだ。特に重要な案件の場合、取引の存在についても、契約上守秘義務が課されていることがある。この場合、担当者として頻繁に対象となる取引先企業に出入りしていることが付き合っている異性にダダ漏れでよいのか。そんなはずはない。万が一、その異性がライバル企業の人間だったら。。。。。このように場合によっては、不用意にこのアプリを使ってしまったことで懲戒解雇になるリスクが完全にないとは言えないと思われる。
このように想定されるトラブルはまだまだありそうだ。業務用PCにウィニーをインストールすること禁止する内規のみならず、Android端末に彼ログをインストールしていないか組織的に確認しなければならないという事態に発展しないとよいのだが。今後の議論についても注視していきたいところである。
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